板金修理(車の傷・へこみの補修・塗装)の基本と流れを解説
自働車整備の専門学校を卒業して、整備士の資格を取りました。その後トヨタ自動車に就職して5年間、トヨタの整備士として整備技術を身につけてきました。技術力には自信がありますが、今も日々勉強を続けています!
自動車を運転していると自損事故を起こしてしまい、車体がへこんでしまうことがあります。また、相手の車からぶつけられたり、削られたりしてしまうこともあります。人身事故にならなくても、高価な車が傷つき凹んでしまうと大変なことになってしまいます。
今回は車の傷やへこみなどが起きてしまった場合の板金修理について基本的な流れを押さえておきましょう。何かあれば専門業者に見てもらうのが大切です。
板金って何のこと?
まず自動車修理における「板金」という工程について説明したいと思います。
板金の意味
「板金」とは車体のボディをイメージしがちですが、自動車修理における「板金」とは、、ダメージを負った車のボディの変形した部分を元通りに戻すための一連の流れを指します。板金≒修理に近いイメージです。
凹んだ箇所や、逆に膨らんでしまったところを、修理をする人が「あて板」や板金ハンマーなどを使って、ボディを元の形に成形しなおします。
それだけではなく、損傷部分の塗装をはがすことも板金です。金属をたたいて形を整えることだけではないので注意してください。
板金の2つのやり方
へこんだり損傷した部分を元に戻したりする「板金」には2つの方法があります。これを組み合わせて損傷前の状態に戻していきます。
凹んだ部分を表から引っ張る
凹んだ箇所を器具で引っ張りもの状態まで戻して、平らにしていきます。
凹んだ部分を裏から叩く
引っ張るのが難しい場所は、裏からハンマーなどでたたきもとの状態に戻します。場所によってどちらの方法がやりやすいのか変わってくるので知っておいてください。
板金後の作業は?
板金によって凸凹を平らにした後、次の工程「塗装」へ進んでいきます。
塗装とは
自動車修理における「塗装」とは、板金によって修復した部分に、調色した塗料を塗って、傷が目立たないように元の色合い、風合いに塗装し直す作業のことを言います。
傷やへこみを元に戻したのち、パテ付けという詰め物をして表面を平らにします。その後サーフェイサーという下地になる塗料を塗り、乾燥させます。さらにその後、自動車用の塗料を塗って乾燥させて完成します。
塗装が必要なケース
- 車にひっかき傷が付いてしまったとき
- 車で壁やガードレールなどをこすってしまい傷が付いたとき
- 車や外のものにぶつかりへこみ傷が付いてしまったとき
- 車が色あせしてしまったとき
全体塗装と部分塗装
傷やへこみの具合や板金の面積によって、全体塗装にするか部分塗装にするか分かれます。ドアを例にするとドア1枚全体を塗装するのが全体塗装、ドアの一部を塗装するのが部分塗装です。当然後者のほうが安くなりますが、車体全体のメンテナンスを考えると全体塗装のほうがいい場合もあります。
いずれにせよ素人判断はできないので、修理業者やディーラーに相談するようにしてください。
板金塗装の流れ
付属品パーツの脱着
パテ付け、パテ埋め、パテ研ぎ
下地処理材の塗装と研磨
塗装する箇所の清掃
マスキング
塗料で塗装する
クリア塗装
塗料を乾燥させる
塗装面を研磨する
取り外したパーツの車体取付け
最終チェック
洗車
これで新品同様に近い形まで修理し、車体がきれいになります。